実務家教員、人生の岐路で生きる事に挫折した

エンジニアから実務家教員になった筆者が、再び人生の岐路に立って、生きる事に挫折するまでの記録を綴るblogです。

転職活動中の人は傲慢な人が多いのか?

 まず、先日面接審査を受けた某私立大学から、お祈り手紙を受領しました。これで、転職活動は振り出しに戻りました。

 '20/8/9現在の状況は、

  • 書類審査結果待ち:3件
  • 書類審査締切前:7件(内、6件が8月中に締切)
  • 書類審査落ち:16件
  • 面接審査落ち:1件

と、なりました。この数字を見て、皆さんはどう思われますでしょうか。

「やっぱり能無しとわかるんじゃね?教員やめたら?」

「金稼ぎたかったら、教員やめて企業に再び転職したら?」

「人間として失格なんじゃね?」

…と、心の奥底では、人格否定も込みで私を否定することによってマウンティングの快楽を得ているでしょう。そう思われても仕方がありません。そういう心無い声を受けるのも覚悟しながら活動していますので。ただ、心無い言葉は、時に人の命を殺めるものであることを理解していない人が日本にあまりにも多い事は、今年春以降の事件で改めて表面化されたかと思います。あえてどの事件かは申し上げませんが、日本人は先進国で最も残酷で陰湿な人種ではないかと感じることもあります*1

 

 心無い声といえば、昨日、お祈り手紙を受領した事の報告(内輪のSNS)に対する知人からの一言が。

「その”傲慢”さが感じ取れたのではないかと思われます。」

…この”傲慢”というキーワードを受けたら、皆さんはどんな反応をしますでしょうか?怒りますか?謙虚に受け止めますか?スルーしますか?私は、不思議と怒りは無かったです。「あぁ、この人らしい物言いだなぁ…。」と真っ先に感じました。この感情は、限りなく”スルー"に近いものです。

 この知人の過去の経歴の詳細は伏せておきますが、過去に専門職でデビューして短期間で失職。その後、あちこちの企業に派遣されては、短期間で派遣を打ち切られている方です。年に一度、友人たちとの新年会でのみ会うのですが、本人曰く、派遣先の上司に口ごたえして雇用を打ち切られることがあったとか。そういう話を聞く度に、「職場で自分の意見をストレートに物申すのもTPOをよく考えてほしい」と常々思っていましたが、自分自身がこの知人に言われる立場になると、先ほどの感想に加えて「あぁ…自分も堕ちたものだな…。」と思ったのが正直なところです。言われたくない相手から言われたくない言葉を言われた事で、自分の心の防御が働いたのでしょう。もう一言加えるならば「自分のことを横に置いて言うな」と。

 その直後に、日課となっているかみさんとの電話で、自分は傲慢な人間かどうか聞いてみました。

「傲慢ではないけど、頑固なところはあるかも。でも、理由に納得したら、180度手のひらを返したかのように受け入れる人。」

…さすがです、かみさん。伊達に17年間一緒に暮らしておりません。よくわかってくれてます。これで、自分が知人の言葉に対して感じていた”違和感”の正体をつかみました。

 ”傲慢”と言うは簡単ですが、傲慢の意味を「自己主張が強い人」&「自分の事を最優先に考える人」&「自分の思い通りにならない事を悲観する人」と一括りにした意味で言葉を使われたら、転職者は全て傲慢な人と定義されてしまいます。この知人は、傲慢という言葉をそのように捉えているのかも知れません。私は、本当に傲慢な人は「自分の目的のためなら相手を犠牲にしても良いと考えている人」と認識しています。転職者はそういう考えを持っていません。むしろ、派遣先の企業でトラブルを起こして短期間で派遣業務が無くなってしまう事を繰り返し、自分のことを棚に上げて私に”傲慢”と言い放ったこの知人こそ、真に傲慢な人間ではないかと感じています。だから、私はこの知人の言葉に怒る事なく、スルーする気持ちに至った訳です。

 

 転職活動中の人は、新たな職を得るために必死です。相手に気に入られなければ職を得ることが出来ない、それもあるでしょう。しかし、自分の能力や本来の性格を欺き続けて得た職は決して長くは続きません。だから、自分の主張や能力を明確に打ち出す事は大事です。それで受け入れられなければ、御縁が無かったと思ってあきらめるしかありません。転職は、婚活と同じだと私は考えています。そういう意味でも、知人の言葉は、自分を始めとする転活者全員を敵に回す言葉であり、知人にそっくりそのまま返してやりたい言葉でもあります。

 

 余談ですが、日本人の美徳は謙虚であるとよく言われますが、実は「自分の意見を言わずに押し黙ること」を謙虚という言葉で美化しているのではないかと感じています。悪く言えば「物言わぬ日本人」です。私は、前職で物言わぬ人間で過ごしてきたが故に、優秀な後輩達に負け、職を変える事に追い込まれた身です。その経験を経て、現職の授業の一つでは「この授業では日本人としての美徳を捨てろ。自分の考えを表に出す訓練だと思え。どれだけ論理的に自分の意見を示すことが出来るかで成績を決める。」と学生達に宣言しています。

 

 全ての転活者にエールを。そして、自分も次に向けて気持ちを切り替えて頑張ります。

*1:なお、私もれっきとした日本人です。