実務家教員、人生の岐路で生きる事に挫折した

エンジニアから実務家教員になった筆者が、再び人生の岐路に立って、生きる事に挫折するまでの記録を綴るblogです。

某私立大学の面接審査の結果

 8月に入りました。ようやく梅雨明け…。でも、心はどんよりです。

 そんな気分に呼応するように、先週末(8/1)に臨んだ某私立大学 教員面接審査の結果が本日(8/3)夕方までに連絡が来ないので、「あぁ、またお祈りか…。」と、落ち込んでおります。

 多くの高等教育機関の場合、採用者には、即日(どんなに夜遅くとも入れる)もしくは翌営業日に第一報の連絡が電話で入ります*1 。すなわち、翌営業日の営業時間を超えても何の音沙汰も無い場合は、高確率でお祈りとなります。

 

 ここで、今回臨んだ面接審査について記録を残します。 

 今回の面接審査は、

  • 自己PR 兼 教育研究活動の紹介(プレゼン):15分
  • 質疑応答:15分

の計30分でした。私立大学の面接審査は人生二度目でしたので、時間をかけて準備を進めてきました。時には、かみさんとオンライン通話をしながらプレゼンのリハーサルと資料修正をじっくりと進めてきました。本番でのプレゼン時間は14分弱。プレゼン時間オーバーは大きなマイナスになりますので、マイナス要素を出さないように気づかいながら自分のPRに専念しました。しかし、プレゼンの最中に学長の方を何度も見たのですが、積極的に聴講しようという意思が感じられません。この時、直感的に嫌な予感がしました。「結果は審査を始める前にもう出ている」と。

 その後の質疑応答は、はっきり言えば当たり障りのない質問だらけ、その中で自分がマイナス要素を出したとするならば、最初の質問に対する回答が長かった事くらい。ラス前の理事長からの質問は、ほとんど家族構成などのプライベートに関わる質問だったし、最後の学長からの質問は、どうも積極的に採用したいという印象が感じられない…。この時点で、面接を始める前から答えは出ていたと確信しました。

 そして、もう一つ自分が心に引っかかったのは、その日に予定されていた面接審査のトップバッターだったということ。別に、学校側が飛行機の時間を考慮してくれた訳ではありません。この大学では、この日だけでも、5ポスト分の面接審査が行われた訳ですが、仮に1ポストあたりの面接対象者が2人ずつでも審査は5時間以上。3人ずつなら8時間程度はかかります。おそらく、各ポストの本命者を後ろにしたものと推測しています。これは、今年の1月に落ちた「大学ではない」高等教育機関の面接審査でも同じ傾向でした。この時は、2人の採用枠に対して面接対象者は自分を含め4人。自分は2番目でした。一般的に、この手の審査のトップバッターは不利です。トップバッターは審査員も厳しく見ますし、後続の審査が甘くなりやすい傾向があります(経験的にも、伝聞的にも)。

 そういえば、2014年に初めて大学の公募に応募した首都圏西部の某T大学。まさにビギナーズラックで面接審査の案内を頂きましたが、結局は校内での内部昇格を公募という形で見せかけたものでした。この時の面接順番もトップバッターでした。余談ですが、その後、このT大学の教員公募は、ほぼ全て任期付き教員しか募集していませんので、もう一生御縁はないものと捉えています。

 

 もし、これを読んで頂いた皆様が大学教員の面接審査に臨む機会があれば、何番目に審査を受ける事になるかをチェックしておくと良いでしょう。トップバッター、もしくは前半(採用枠数以内の順番)だとすれば「あなたは本命ではない」と思った方が、相対的に気が楽になります。もしかしたら、最初からあきらめの胸中に陥るかも知れませんが。

 

 さて、ここまで振り返って、自分の何がマイナス要素だとすれば…

  1. 査読論文の本数
  2. 年齢
  3. 教員として実務年数

の3点ではないかと考えます。これが全て正しければ、やはり、面接審査を始める前に結果は見えていたのです。

 

 準備にたくさんの手間と時間をかけただけに、やはり審査に落ちる事は心のダメージが大きいです。慣れないものです。唯一ありがたかったのは、大学側から交通費を頂いた事でしょうか。

 

 私の大学教員公募チャレンジは、書類審査が残り10件。全ての書類審査結果がわかる目途は、9/14(応募した最後の公募の期限から2週間後)です。この日までに、面接審査の案内が1件も来ない場合、私は、実務家教員としての人生を今年度限りで断念し、再び産業界で働く覚悟です。

 

 これは何度でも書きますが、今の仕事が嫌だから転職活動をしている訳ではありません。日々の自分の仕事だけを見れば天職です。これ以上ない位に自分のペースで仕事が出来ます。学生達が育つ姿を実感出来るのは、この仕事ならではだと感じています。

しかし、

  • 現在の職場における自分の待遇が大きく見合わない
    (修士卒の給料のままという時点で、もはや年収50万円以上マイナスとなっている。大学教員になれば、更に月収+3万円以上の可能性が高い)
  • 給与制度が悪い意味でザルすぎる
    (学位を取得しても給料が一銭も変わらないと大ボスから告げられ、心底がっかりした)
  • 組織のグダグダ体質に身限りをつけた
    (教員会議の度に、一部の教員による押し問答の勃発と、明確かつ具体的な方針を出せない上層部の無能さに辟易した)

これらが、私の転職活動の原動力です。

 これに対して、ワガママと言う方もいらっしゃるかも知れません。しかし、転職活動した方のほとんどは、そういうきっかけがあって動き出したことでしょう。自分や家族の幸せのために動く事に否定される事は何もないはずです。

 

 今後も、また変化があれば記録を残していきます。

*1:ただし、人事委員会の決裁ではなく必ず教授会を通す大学の場合は、時間がかかるそうです。参考:https://note.com/asrgargergdf/n/nc31fde8b41fc